1975/Italia/film
ピエル・パオロ・パゾリーニ/Pier Paolo Pasolini
サド文学の映像化としてはまずもっとも忠実な作品。120分間、見るに堪えない凄惨な世界が展開するが、これでも実際の小説から比べると十分の一の過激さもない。しかし、前編に漂う異様なムード、この後惨殺されたピエル・パオロ・パソリーニの人生を照らし合わせてみるとある意味で感動さえ覚える。恐らくサド作品の映画化のなかでは最高のもの。
本編のベストキャラクター賞、語り女の一人・ヴァッカーリ夫人。サド文学に似付かわしくない可憐な笑顔と踊りで醜悪な物語を聞かせてくれる。
(ザッピー浅野)