1999年2月10日
せりか書房
鈴木創士訳
(1996, Gallimard)
フィリップ・ソレルスによる、作家・サド侯爵の価値を再認識させてくれるような賛美に満ちた楽しい論文と、サドが革命時にベルニの枢機卿に宛てた未完の手紙を一冊にしたもの。
この手紙はアポリネールからモーリス・エーヌ、そしてジルベール・レリーへと受け継がれ、レリーは死の直前に「フランス革命200周年にあたる1989年に刊行するように」という指示を与えて、これを出版社に譲り渡した。レリーの意志は尊重された。
まさに、20世紀に復活した作家・サド侯爵の待望の新作だと言える。
訳者・鈴木創士氏による後書きも、当サイトの読者にとっては必読の内容である。
(ザッピー浅野)