文学と悪

ジョルジュ・バタイユ著

1957年 ガリマール書店
1959年  紀伊国屋書店
1992年    筑摩書房
1998年 ちくま学芸文庫
(山本功訳)


エミリ・ブロンテ、ボードレール、ミシュレ、ウィリアム・ブレイク、サド、プルースト、カフカ、ジュネなど、文学作品に見る「悪」について、バタイユが言いたい放題。
サドの章では、「(サド)の仕事とは、すなわち人間存在を破壊する諸可能性をひとつのこらず数え上げ、しかもその諸可能性すら破壊しながら、それらの死と苦痛とを心に思い描いてたのしむということである。したがって、たとえどんなにうつくしい描写でも、後世の模範とすべき描写など、彼にはまるで意味のないものだったろう。ただはてしない退屈な枚挙だけが、彼の激情の目ざしている空無videもしくは砂漠を、彼の前に展開して見せる(そしてまた、彼の作品を繙くひとたちの目の前に展開して見せる)徳性をもっていたのである。」という論述に見るように、一見とてもわかりやすい評論集です。
個人的にはカフカの章が好み。

情報提供:よしこ


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