サドの唯一の短編集、「恋の罪」のなかから、もっとも注目すべき作品をひとつ。最後の最後まで自分の意志を貫き通す主人公が味わう異様な世界。読みすすめていくうちに物語は宇宙的な広がりを見せ、壮大なクライマックスを迎える。
(ザッピー浅野)