「アリーヌとヴァルクールあるいは哲学小説」

Aline et Valcour ou le Roman Philosophique


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 サド唯一のまともな文学作品と言われているこの作品だが、やはりかなり独特な構成で成り立っている。他のサド作品とはひと味もふた味も違った違った雰囲気がかなり新鮮。ラクロの様でラクロでない、ヴォルテールの様でヴォルテールでない、モンテスキューの様でモンてスキューでない、全部読み終わってやはりサドの文学なんだと思わせられる。千ページ以上の広大な物語の中、実に様々なキャラクターが入り乱れ、そのそれぞれがサドの哲学を象徴するポジションを演じている。ストーリーはアドベンチャーあり、ユートピアあり、恋愛悲劇ありと、すべての要素がはっきりとサドの哲学体系を形成してゆく伏線になってゆく。サドの文学に偏見を持っている人に読んでもらいたい面白い小説だ。

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日本での訳出「食人国旅行記」。第二巻のサンヴィルの冒険物語のみを訳したもの。あとがきに「この部分だけを独立させても、その文学的思想的価値は損なわれない・・・」との渋沢達彦先生のお言葉があるが、当然、全く損なわれないわけではない、念のため。

(ザッピー浅野)



"渋澤龍彦の紹介したサド文学の投票数があまりにも寂しいので投票します。
渋龍ファンより"

・・・yzr



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