世間一般に言われるように、サドの小説の最大の魅力がその「長さ」「退屈さ」「単調さ」にあるのだとすれば、これは間違いなくサドの最高傑作と言えよう。まあそんな皮肉はなしにしても、この数千ページに渡る一代哲学絵巻をざっと読んでいただければ、良くも悪くもこの作品のすごさはわかって貰えるはずである。200年前に書かれたこの物語の持つ普遍性は、我々が現代社会で幸せに生きてゆく上で障害になる精神的側面を、見事に破壊してしまう力を持っている。どうか、思いきりショックを受けてください。
「悪徳の栄え」日本版。1/3の短縮バージョン。別売りで「新ジュスティーヌ」の1/4のエキストラクトが発売。
"初めて読んだサドの作品です。そのとき私は中学生でした。あまりにも未知の世界にただただ「すげえ」と思ったのを鮮明に覚えています。
他には「ソドムの百二十日」「悪徳の栄え」を読みました。やはりショッキング・・・。
常識なんてものはどこにもないと思い知らせてくれた本の中の一冊です。"(まどか)
"次々と登場する「悪徳の信奉者」たち、語られる彼らの哲学、そしてジュリエットの冒険…もう何も言うことはありません。"(北 公二)
"個人的には「新ジュスティーヌ」が好きです。"(Koichi Nagai)